「燕はもどってこない」を読みました
いろいろ考えさせられる作品でした
ドラマが重い内容だったので
読まずにいようと思いましたが
さすが、桐野夏生さん!
読み始めたら止まりませんでした
富裕層の夫婦
妻は卵子の老化と不育症で妊娠は無理
そこで夫が「卵子」と「子宮」を他人から提供してもらうという
そこには多額な金銭が動き
提供する女性は貧困にあえぐ若い女性・・・
代理出産がビジネスなのか?
生殖に関する医学って
劇的な進歩を遂げていて
倫理感などとてもデリケートで難しい問題
以下ネタバレ含みますので
未読の方はパスしてくださいね
読んでいて
誰にも共感できなかったな・・・
代理母を引き受ける貧困に苦しむリキ
暮らしがカツカツで大変ていうのはわかるけど
短大出てるのに、考えなさすぎなのではないか?
と思ってしまう
行き当たりばったりという感じが否めない
そもそも実家でためた200万を使い切る前に
せめて100万使う頃に気づかなかったのだろうか?
私が子供のころ貧乏だったからそう思うけれど、
普通に世間に流されていたら
こういう感じになるのでしょうね・・・・
富裕層夫婦の妻、悠子
途中までは代理出産に走る夫に納得がいかず
それまでの不妊治療も大変なことで
同情的に感じていたけど
途中から、あれ?自分勝手だなって思ってしまった
夫とはこの先も離婚していくとか
子育てはリキにお願いしたとか
出産後、突然復縁して子育てするとか・・・
自分勝手すぎ
富裕層夫婦の夫 基(もとい)
有名なバレエダンサーだからDNAを残したいとな?
だったら若いうちに子ども作っとけっつーの!怒
前妻がバレエダンサーだったんだから
子ども作っておけばよかったのに・・・
その前妻を裏切って今の妻との不倫に走ったのは自分でしょ!
それなのに今更子供子どもって・・・・なに?
富裕層夫の母 千味子
自分が死んで、息子が死んで、嫁が死んだら
財産は嫁の兄弟や親族に渡るのを恐れている母
なんじゃそれ?
自分も息子も、死んでるんだからえーやん!
って思ってしまう・・・
どこまで欲深いんだか・・・
でも、そういいながら
1ミリも彼らの事が理解できないかというと
そういう訳でもなく・・・
人間て不可解
人間て欲張り
いけないとわかりつつも
手を伸ばせば届くところにあるものを
あきらめるのは難しいのかもしれませんね
人間の哀れさや悲しさ・・
本の中にも出てきたけれど
こういうことが普通に行われるようになると
知らないうちに血縁者の結婚とかになるのかも・・・
知らないうちに遺伝的要素で
先天性の異常など
新しい病気が発生したりしないのかな?
とても重くて難しい問題だ
ラストはやっぱりね・・・・って感じだけど
リキは今後どうやって暮らしていくつもりなのだろう?
報酬のお金は、ぼんやり暮らしていると
あっという間になくなってしまうよ~
最悪、経済的困窮がもっとひどくなる可能性もある
わたしだったら
とりあえず男関係は切って
報酬を元手に資格取得すべきだと思う
看護師とか理学療法士とか簿記会計とか・・・・
もしくは大卒なのだからそれなりの資格か就職
とにかく経済基盤を固めつつ
生活力を身に着けることが大事だと思う
30代で2人の子供を抱えて未亡人になった母を思えば
つつましく暮らせば何とかなると思う
因みに母は未亡人になったとき
預貯金のような資産はほとんどなく
父は自営業で保障も十分じゃなかったけど
そして体力もなかったけど2人の子供を育て上げた
なんか近くのおばさん目線で
大きなお世話だとリキにいわれそうだな・・・^^
でも1冊読んで
ドラマも観て
これだけ人にイロイロ考えさせる本を書くって
すごいな~と思う
そして読書を通して
いろいろと考えることって大切だし好きです
また、ドラマ見ようかな~